読売新聞『日本発「カワイイ」を超え、世界が認めたベビーメタル』Arrayドイツやイギリス、フランスなど欧州を席巻する少女3人組。「カワイイ」見た目からは想像できない激しい音楽ジャンル「メタル」で欧州に打って出た。そのギャップが国内外の注目を集めている。
— 読売新聞YOL (@Yomiuri_Online) 2015, 11月 2
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世のオトーサン、オカーサンたちはまだ知らないかもしれないが、ドイツやイギリス、フランスなど欧州を席巻する10代の日本人少女3人組がいる。
日本国内でもてはやされたアイドルが、人気をじわじわとアジア各国に広げる例は珍しくない。
その点、彼女たちは「カワイイ」見た目からは想像できない激しい音楽ジャンル「メタル」で欧州に打って出た。そのギャップは、世界の注目を集めている。帰国した3人をインタビューした田中氏が、彼女たちの人気の秘密に迫る。
「カワイイ」だけじゃない
彼女たちは「BABYMETAL(ベビーメタル)」。
メンバーはSU-METAL(スゥメタル、本名・中元すず香)、YUIMETAL(ユイメタル、本名・水野由結)、MOAMETAL(モアメタル、本名・菊地最愛)の3人。
SU-METALが17歳、YUIMETALとMOAMETALはまだ16歳だ。
なぜ、彼女たちが、こんなに注目される存在になったのか。
ユニット名はクールジャパンの代名詞となっている「カワイイ」を象徴する「BABY」と1970年代から欧米を中心に根強い人気の音楽ジャンル「HEAVYMETAL(ヘビーメタル)」を掛け合わせたものが由来となっている。
「カワイイ」と「メタル」は一見すると真逆のようにも思えるが、そのギャップを見事に融合させ、個性として際立たせた。
2010年に結成されると、ハードなメタルサウンド、幼さの残るかわいらしいボーカル、キレのあるダンスを武器に様々なイベントに出演した。ピストルをイメージさせた愛らしい振り付け、「ズキューン」「ドキューン」などと歌うハイトーンボイス、そして、会場にとどろくドラムの音。
その光景は、多様化された日本の音楽シーンで斬新に映ったのだろう。
ライブを重ねるたびにファンの数は増えていった。
「カワイイ」の枠を打ち破る
お披露目された新曲は、「Road of Resistance」(ロード・オブ・レジスタンス)」。
「抵抗」や「反逆」を意味するタイトルのとおり、「世界征服」を目指す彼女たちのテーマ曲としてふさわしい楽曲だ。ライブでは後半のパートを、会場にいる全員で大合唱するのが定番となった。
そして今年、レジスタンスは第3章に突入。1月にさいたまスーパーアリーナで「BABYMETAL LEGEND “2015” ~新春キツネ祭り~」を開催し、5月からは2度目のワールドツアーに入った。
メキシコ、カナダ、アメリカ、ドイツ、フランス、スイス、イタリア、オーストリア、日本、イギリスの10か国を回り、6月の千葉・幕張メッセでは過去最多の2万5000人の観客を動員した。
イギリスでは、伝統ある音楽フェス「レディング&リーズ・フェスティバル 2015」のメインステージに最年少で出演。海外で揺るぎない人気を証明した。
「世界征服」という夢が絵空事ではなく、現実のものとして見えてきた今、彼女たちが今後どこまで大きく成長し、進化していくのかが気になる。
9月から10月にかけて行われた国内でのZeppツアーも全公演ソールドアウトの盛況ぶりだ。
12月には横浜アリーナでの2日間公演、さらに来年4月にはビートルズ、ローリング・ストーンズ、ピンク・フロイド、U2など数多くのアーティストがライブを行ったイギリスのウェンブリー・アリーナで単独公演も控えている。
だれも成し遂げられなかった領域へ
今年9月、3人をインタビューする機会があった。
2度のワールドツアーを経験した彼女たちから、「アウェイなところが好きになった」という頼もしい言葉が飛び出した。
ワールドツアーは初めてのことばかりで戸惑いや不安も口にしていたが、この1年で一回りも二回りも大きく成長した様子に思わず目を細めてしまった。
ライブの様子を語る3人はハツラツとしていて、世界を舞台に挑戦するという気負いを感じさせない。本当に楽しそうなのだ。
国内でも海外でも、単独公演でもフェスでも、しっかりとライブを楽しむ姿こそ彼女たちのスゴさといえる。
神バンドによる厚みのあるサウンド。それに負けない、ずば抜けた声量と高い歌唱力を誇るSU-METALのボーカル。YUIMETALとMOAMETALの全力のダンス、「おねだり大作戦」や「4の歌」で聴けるかわいい歌声が脇を固める。
この3人だからこそベビーメタルは成り立っている。
そして、特筆すべきは、彼女たちの日本語の歌が海外でも受け入れられているということだ。
いままで、日本人のどのアーティストも成し遂げられなかった領域へ足を踏み入れた。
彼女たちの活躍で、「メタル」というジャンルが再び活気を帯びている。
世界の音楽シーンに与えた影響は大きく、もはや、「クールジャパン」や「カワイイ」という分類にとどまらない。
「メタルで世界を一つにする」という目標の実現は、そう遠い先のことではないのかもしれない。
彼女たちの今後の活躍、オトーサンやオカーサンも必見ですよ。
一部抜粋。全文は
こちら
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http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20151102-OYT8T50061.html
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